大判例

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東京高等裁判所 昭和60年(ネ)1531号

主文

本件各控訴をいずれも棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

一  控訴人らは「原判決を取消す。被控訴人が控訴人らに対し昭和五五年一一月二五日付でした各減給処分がいずれも無効であることを確認する。被控訴人は、控訴人井戸道男に対し金三〇万五〇三〇円、控訴人中沢仲治に対し金三〇万四四一六円、及び、これらに対するいずれも昭和五六年一〇月二三日以降完済まで年五分の割合による各金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決及び金員支払部分について仮執行の宣言を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠関係は、原判決一八枚目裏六行目末尾に続けて「もっとも、控訴人らの右弁明にかかる行為はそれ自体異常であり、かつ、これによって前記のように多量の水が金庫内に流入することも通常であれば考えにくいところであるから、控訴人らは、運賃投入口に何らかの方法で故意に水を入れたのが真相であると考えられる。しかし、被控訴人は、控訴人らの弁明に基づいて、右のように過失行為として本件懲戒処分を行ったものであるところ、いずれにしてもその結果として生じた事実に変りはなく、過失責任は故意責任の範囲内にあり、より軽度の懲戒処分がとられたものであることに鑑みれば、たとえ真実は故意の行為であったとしても、そのために本件懲戒処分が不当となるものではない。」を加え、当審における新たな証拠について当審記録中の証拠関係目録の記載を引用するほかは、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  当裁判所も、控訴人らの請求はいずれも棄却すべきものと判断するが、その理由は、次の通り訂正、付加するほかは原判決理由説示のとおりであるから、これを引用する。

1  原判決二二枚目表七行目の「同号証の一六、」の次に「証人正田隆穂の証言により真正に成立したものと認められる同第一一号証の一、」を加え、同行の「証言」の次に「(原審、当審)」を加え、八行目の「同第八」から同行末尾までを「同第八、第一一号証の各二、第一九号証の一、二、第三一号証、同証言(原審)」と改め、同裏一行目の「同小川統治郎」の次に「(原審、当審)」を加える。

2  同二四枚目表一行目の「交替番号」を「交番番号」と改め、四行目の記載に続けて「なお、乗務員がその金庫を精算装置にかける順序は、業務終了時間の前後に従ったものとなるとは限らない。」を加え、九行目の「号証の二」を「号証の一、二」と改め、同行末尾に続けて「第一九号証の一、二、第三一号証」を加え、同裏六行目の「証人正田隆穂」から七行目の末尾までを削り、八行目の「証言」の次に「(原審)」を加える。

3  同二五枚目表五行目の「同小川統治郎」の次に「(原審、当審)」を加える。

4  同三二枚目裏二行目の「状況」の次に「や前記のような事故発覚直後控訴人らの説明したところが乗務員の行為として異常というほかないこと」を加え、三行目の「可能」から四行目の「あるが」までを「ものと推認されるところである。しかし」と改め、八行目の「あることは」の次に、「、証人正田隆穂、同小川統治郎(原審)の各証言及び」を加え、九行目の「行為」から一〇行目の「限りは、」までを削り、同末行の「肯首」を「首肯」と改める。〔後掲94頁4段目参照―編注〕

5  同三三枚目表三行目の「証人吉沢孝治」の次に「(原審、当審)」を加え、四行目の「乙第一一号証の一」を「乙第一一、一九号証の各一、二、第三一号証」と改め、七行目の「証人小川統治郎」の次に「(原審)」を加える。

6  同三四枚目表一行目の「証人吉沢孝治」の次に「(原審、当審)」を加える。

7  なお、控訴人らは、当審において、控訴人井戸の金庫の精算順序に関し、甲第一号証の一に記載の退社時刻と乙第一九号証の一に記載の乗務終了時間との間に整合性がないことを問題として、このことから、乙第一一、一九号証の各二の精算レシートが被控訴人により捏造されたとの疑いを持つようである。しかし、当審における(人証略)の証言とこれにより真正に成立したものと認められる(証拠略)によれば、本件事件当時、戸塚営業所においては、労使間の合意により、所定労働時間延長に伴なう時間外手当の減少を避ける目的で、いわゆる通し交番のダイヤについて、ダイヤ上の乗務終了時間と実際の乗務終了時間との間に七分内外の差を設けて運用していたのであって、したがって、控訴人らの問題とするような点は右各精算レシートの信憑性に影響を及ぼすものではないことが認められ、かえって、(証拠略)によれば、右各精算レシートは本件事件当日の正規の精算作業の結果作成されたものであることが明らかである。右認定に反する当審における(人証略)の証言は採用できず、そのほかに右認定を覆えすに足る証拠はない。

二  よって、原判決は相当であり、本件各控訴はいずれも理由がないので棄却することとし、控訴費用の負担について民訴法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 田中永司 裁判官 豊島利夫 裁判官 加藤英継)

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